介護現場の【虐待】防止具体策セミナー - 不適切ケア防止の基礎知識
介護の現場で虐待を防止する方法を学ぶ
介護現場での虐待が深刻な問題となっている昨今。
「あんなひどい行為は自分の施設にはない」と思っていても、事件が起こってからでは遅いのです。
このコースでは、虐待の定義から身体拘束についての考え方、利用者を尊重しない「不適切ケア」の改善といった虐待防止対策の具体例を学ぶほか、管理職・リーダー職はどのようにして職員の心身の健康を守りながら教育を行なっていくかといったマネジメント面についても解説します。
誰しもはじめは違和感や疑問を持っていたことでも、施設独自のルールに縛られたり時間に追われるうちに解決の機会を失い、慣れてしまうことで利用者の方を傷付けている可能性があります。
新人の方はもちろん、経験のある方も自分の介護を見直すきっかけとして、職員の指導にあたる役職の方は「どのように教え、伝えるか」を学習する目的として、すべての介護職の方々に学んでいただきたい、ボリュームのある内容です。
このコースの詳細
虐待とは何か?
虐待とは何かを正しく理解する
虐待には様々な種類があり、知らないうちにやってしまっていることもありますが当然「知らなかった」で済まされることではありません。
新人の方はもちろん、「慣れ」で行なっている行為がが虐待となっていないかを見直すため、全スタッフの方に知っておいてほしいことを解説します。
虐待の事例
実際に起きた虐待の事例(一部改編)を見ながら、自身の現場でも「ない」とは言い切れない事態に対しても虐待の疑いとして問われる可能性があるということを意識しましょう。
介護現場の身近な事例から考える
身近な事例から考える
虐待は遠い世界のこと、自分には無関係と思ってる人へ向けて、虐待と見られる可能性がある事例を紹介します。
「仕方ない」「どうせ分からない」などといった業務中の「慣れ」が虐待を引き起こしてしまわないように、「相手の立場に立つ」ことを考えていきましょう。
不適切ケアがエスカレートして虐待になる
不適切ケアとは何か
まずは「『不適切ケア』を底辺とする『高齢者虐待』の概念図」から、どのような構造で虐待が起きてしまうのかを理解します。
「不適切ケア」とは耳慣れない言葉ではありますが、「不適切な言葉遣い」を例に学んでおきましょう。
みんな違うことからスタート!
何を不適切とするかはみんな違います。
何を良しとし、何を悪いとするかの基準はみんな違うということを認識しましょう。
不適切ケアシリーズ年間予定
月ごとに設定したケアの内容に違和感を感じたことはないか議論・改善を行なう年間のスケジュールについて紹介します。
これって不適切?
職場で判断に迷ってしまう事例について、不適切であるかどうか・止めるべきかどうかの考え方について解説します。
表情・態度
次に「不適切な表情・態度」について解説します。
言葉と違い雰囲気に近いものもあるため、なかなか指導がしづらい部分なので、ここでも例を見ながらどのような様子が不快感を与えてしまうかを覚えておきましょう。
不適切な食事ケア
食事の際に気になる介助例を紹介します。
適切なケアへ変えるための行動や言葉、してはいけない言動について学びましょう。
「割れ窓理論」について
ここで「不適切ケア」の改善を「割れ窓理論」として説明します。
この理論を意識して日頃から心がけることで、介護の質を上げていくことができます。
言葉遣いが丁寧、の意味
言葉遣いを丁寧にすることのメリットから始め、施設環境・接遇を整えていくことの重要性をお話しします。
いい有料老人ホームの見分け方
「いい介護施設」と見られるのに、実は介護技術の要素は大きくありません。
誰でもできることから、「いい介護施設」は作っていけるのです。
ここでは、ある先生が言われた「いい有料老人ホーム」を見極める3つのチェック点をお教えします。
身体拘束の防止と安全を守るケアの両立
身体拘束とは誰か?
介護職の方が難しいと感じていることが多い「身体拘束と安全を守るケア」について、まずは「身体拘束とはどのようなことか?」から学びます。
身体拘束はなぜ行なってはいけないか?
ではなぜ、身体拘束は行なってはいけないのでしょうか。
法律だけが理由ではないはずです。尊厳・自由・人権を守るといったことももちろんですが、介護の基本となるもっとシンプルな理由があります。
やむを得ない場合とは?
身体拘束には、やむを得ないとされる3つの要件があります。
介護スタッフの方々にとってすでに知っていることかもしれませんが、その場合の判断と同意のプロセスについて改めて確認しておきましょう。
必要とされる記録
身体拘束を行なった場合は記録が必要となります。
そこで必要な書類において、家族や委員会がどこを見るのか・どんなことを知りたがるかを理解し、的確に記録することを意識しましょう。
「イスからのずり落ち」をどう考えるか
イス・車いすからのずり落ち対策として用いられる、安全ベルト・Y字拘束帯についてどのように考えるか、そしてずり落ちの原因を探るために何を観察し、どのような対応をとるべきかを学びます。
プロとしての対応とは?
「ずり落ち」は職員側に課題があることへのメッセージと捉え、安易に拘束をするのではなく「介護のプロ」として対応にあたるための心がけについてお話しします。
身体拘束廃止委員会年間予定
先ほどの「不適切ケア」と同様に、毎月ごとに状況を設定して検討・改善を行なっていく「身体拘束廃止」の取り組みにおける年間予定表を紹介します。
ベッドからの転落に対して
イスからのずり落ちと同じくらい発生するトラブルである、ベッドからの転落について原因・課題・対応の例を解説します。
BPSDに対する薬物療法の進め方
国が発行している「BPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」について触れます。
本来はかかりつけ医のための資料なので少し専門的な部分もありますが、読みやすく良い資料ですのでぜひ確認をしておいてください。
虐待の兆候、その他基礎知識
虐待のとらえ方
ここで虐待に話しを戻し、「法律で定義されている虐待」と「私たちがとらえるべき虐待」について学びます。
虐待の兆候を知る
虐待対応マニュアルから、高齢者への虐待兆候チェックリストを参考資料として見てみましょう。
各都道府県で作成されていますので、ぜひご自身がお勤めの地域のチェックリストを確認しておいてください。
通報の義務
虐待が疑われる場合、通報の義務があります。
まずはどこに通報をすべきか、また通報したことによる職務上の疑問など、通報に関する正しい知識を付けておきましょう。
法人・事業所の理念・目標
法人・事業所には稼働などの「数値的な目標」と、何を大切にケアを行なうかといった「理念」の2つが必要です。
どちらかだけを追い求めていては、いい介護施設は成り立ちません。
「目標と理念」を両立しなければならない、その理由についてお話しします。
困った時は基本に返る
目標・理念とは言っても、「実際にはどのようなことを掲げたらいいのだろう」と困ってしまうこともあると思います。
そのときは基本に立ち返り、基本的人権や介護保険法、倫理綱領、介護基本方針などを改めて見直してみましょう。
グループホームに異動して...
講師自身が、養護老人ホームから生活相談員を経てグループホームに主任として異動した際に感じた違和感や悩みなどについてお話しします。
介護職基本10則
グループホームで講師自身が改善対策として宣言した、「介護職基本姿勢10則」の要点を紹介します。
介護職としてのあり方やマネジメント面で悩んだときは、ぜひ取り入れて実践してください。
困った時が学ぶ時!
壁にぶつかったときは学習のいい機会であり、その壁ご自身の介護感を深めていきます。
それでもどうしても乗り越えるのが難しいと感じたとき、その難しさとどのように付き合い、向き合うかといったことを学びます。
虐待防止の取り組みを通じて、介護現場の質を高める!
管理職の役割とは?
介護の課題を解決していくと、最終的には「介護現場の質を上げる」ことに行き着きます。
今回は「虐待」という切り口から、チームとは何か、仕事において大事なこと、伝え方と「厳しさ」の意味まで、管理職・リーダー職が理解しておくべきことを解説します。
多角的な取り組みの例
介護現場の質を高めるための、肉体面・精神面・制度面・人間関係面といった職員に対してのサポートのほか、地域の方が日常的に関わる仕掛けの作り方など、利用者さん側に対しての取り組みなどの具体的な例を紹介します。
ストレスチェック表の例
職員に対するサポートとして、自分のストレスを計るためのストレスチェック表、自分がストレスにどれだけ強いかを確認するストレス耐性チェック表、ストレスチェックの他者評価表を用いる方法についてレクチャーします。
少人数ケア事業所の人材育成
小規模な事業所ではケアをマンツーマンで行なうことが多く、丁寧な介護と評価される反面、新人スタッフにとっては先輩から学ぶ機会が少ないというデメリットもあります。
ここでは、「よいケアとはどのようなものか」を学ぶ機会を失い、個人プレーになってしまうことの危険性についてレクチャーします。
介護職の基本姿勢
介護のほか看護・リハビリなども含めた「対人援助職」全般に通じる、基本姿勢3つを覚えておきましょう。
相手とは...障害をおった人
では、対人援助職における「相手」とは誰なのか、そしてその「相手」はどのような状況に置かれ、どのように影響されるのかを理解しましょう。
はじめの気持ちを思い出す!
経営者・管理者・介護職、それぞれが思い出して心に留めておくべき「はじめの気持ち」についてお話しします。
最後に...
終わりに、利用者さんにしてもらうべき暮らしとはどのようなものか、そして「大事にされる」とはどのようなことかについて考えます。
こんな方にオススメ
- 自分が働いている施設で虐待とみられる行為がないか心配
- 自分が行なっているケアは正しいのか不安になることがある
- いろいろなお年寄りが暮らしている施設において、何がよくて何が悪いのかが曖昧であると感じている
- 施設全体をあげて虐待防止に対しての意識を高めたい
- 職員に接遇に関しての教育を行ないたい
- 虐待が起きてしまわないためにも、職員のストレスをコントロールしたい
- 時間や余裕がない中で、どのように新人に指導を行なえばいいのか知りたい
介護施設として虐待はあってはならないことであり、不適切な言葉遣い・態度などから改善していくことは「虐待の芽」を摘み取るのと同時に、施設全体を「よい介護施設」へと成長させることでもあります。
ぜひ介護職としての自身のスキルアップ以外にも、研修や教育資料など幅広くこのコースを役立ててください。
About the Instructor
愛知県稲沢市在住。介護福祉士、介護支援専門員。
昭和52年生まれ、愛知県西春日井郡新川町(現清須市)出身 。
県立新川高校卒業、京都大学経済学部卒業 。
平成12年 特別養護老人ホーム岩倉一期一会荘に就職。介護士1年、生活相談員3年の後、グル一プホーム主任介護士として4年勤務。
平成20年 医療法人愛礼会にて居宅のケアマネジャーとして勤務。
平成22年 小規模多機能+有料老人ホームの管理者兼計画作成担当者として新規開設に携わる。
平成23年 居宅介護部副部長として、介護事業部全体に携わる。
平成24年 医療法人愛礼会に勤務するかたわら、介護現場をよくする研究・活動のため、天晴れ介護サービス総合教育研究所を設立し、研修・講演・執筆活動を行う。
平成27年 フリーとなり、現在に至る。
講演・講師歴
●保健・医療・福祉サービス研究会主催のセミナー「小規模多機能の開設 運営」
●東海医療科学専門学校 理学療法科・作業療法科「日常生活活動学」「地域リハビリテーション学」「教養学」非常勤講師
●福祉の資格の学校キャリアアップにて、介護支援専門員受験対策講座担当講師
●福祉の資格の学校キャリアアップにて、「ケアプラン立案の方程式」「ケアマネジャー業務のワザ・コツ」について講演
●三重県社会福祉士会主催の権利擁護研修にて「介護現場の権利擁護」に ついて講演
●掛川市介護支援専門員連絡協議会主催の研修会にて「困難が介護観を深くする!」について講演
●松山市社会福祉協議会主催の研修会にて「ケアプラン立案の方程式」に ついて講演
●四国ブロックヘルパー研修会にて「介護事業所の管理・運営」について 講演
●倶楽部くれぱす主催の研修会にて「介護現場をよくする話」について講 演
執筆
●中央法規「おはよう21」平成20年10月号増刊号にキャリアアップ特集で 掲載
●三好春樹編集「ブリコラージュ」平成21年6月号の特集「ブリコラージュなケアマネでいこう!」に記事が掲載。 同じく「ブリコラージュ 平成21年7・8月にて「介護の読書会レポート」が掲載。
●環境新聞社「月刊ケアマネジメント」平成22年10月号に介護の読書会に ついての記事が掲載
●月刊誌「時局」(時局社)平成23年9月号に介護の読書会が紹介
●産労総合研究所「介護人材Q&A」平成24年4月号に愛礼会における地域密着事業の取り組みについて記事が掲載。同じく「介護人材Q&A」では、平成24年10月号より、毎月のコラム「介護奮闘記」が連載
●QOLサービス「認知症ケア最前線」平成24年4月号に認知症ケアの新人研修について記事が掲載
●平成19年11月に新風舎より「介護職基本姿勢10則 -29歳主任介護士からのメッセージ」を出版
●ナツメ社より「ケアマネジャーのための早引きケアプランの書き方&文 例ハンドブック」を平成24年11月に出版
●日総研出版より「居宅&施設ケアプラン立案の方程式」を平成26年7月 に出版
●日総研「介護人財マネジメント」にて平成25年1月号より、「介護職の新人研修」「管理者の業務」について連載をスタート
●平成20年第21回GEヘルスケア・エッセイ大賞「認知症を生活崩壊の元とは言いたくない! -認知症の早期発見意義再考」でアーリー・ヘルス賞を受賞
その他活動
●平成21年4月より「介護の読書会」主宰(平成26年11月で68回開催)
●平成17年よりブログ「Natural Sense♪介護も人生も自然体♪」 を運営
●平成17年よりメールマガジン「【介護の名言】感性をより深く豊かにする言葉」発行
Course content
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